2025年は通常株のIPO(新規上場)が65社、リートのIPOを含めると合計で66社のIPOが実施されました。※中止3社

今年は「グロース市場の上場維持基準の見直し」(上場5年経過後時価総額100億円以上)で小型IPOの上場が抑制された影響もあり、例年に比べてIPOの数が大幅に減少しています。(2024年86社:2023年96社:2022年91社)
ただ、JX金属やSBI新生銀行等の大型案件があったことで2025年のIPO市場における資金調達額は1兆円を突破しており、7年ぶりの高水準となりました。
また、年後半からは東証グロースでも以前のような小粒なIPOがポツポツと出始めており、今後どうなるのか注目されます。
2025年IPOの勝率とランキング
2025年IPO全体の勝率は、54勝10敗2分で約81.8%でした。
この勝率を見れば引き続きIPO投資はローリスクな投資手法と言えそうです。が、、、その中身をみるとちょっと寂しくなります。
2025年IPO初値売り利益(1単元)金額上位5銘柄
| 上場日 市場 |
コード 主幹事 |
銘柄名 |
事前評価 公開規模 |
公募価格 初値価格 |
騰落率 利益 |
| 7/24 東証G |
387A
SBI |
フラー | A 3.2億 |
1,170円 5,200円 |
344.4% 40.3万円 |
| 3/27 東証G |
338A
岡三 |
ZenmuTech | B 5.2億 |
1,580円 5,000円 |
216.5% 34.2万円 |
| 11/5 東証G |
442A
大和 |
クラシコ | A 4.5億 |
1,390円 3,270円 |
135.3% 18.8万円 |
| 3/25 東証G |
334A
岡三 |
ビジュアル・プロセッシング・ジャパン | C 7.0億 |
1,430円3,040円 | 112.6% 16.1万円 |
| 6/30 東証S |
372A
みずほ |
レント | C 42.0億 |
4,330円 5,730円 |
32.3% 14.0万円 |
※利益は1単元(100株)当選して初値売りした場合の金額
当選一撃で100万円どころか、今年も一単元で50万円を超える銘柄はでませんでした。
また、上昇率のランキングは以下の通りで、初値が2日目に持ち越したのは昨年同様わずか3銘柄のみでした。
⇒ 初値持越しとなったIPOの初値結果とその後(2025年)
2025年IPOの上昇率上位5銘柄
| 上場日 市場 |
コード 主幹事 |
銘柄名 |
事前評価 公開規模 |
公募価格 初値価格 |
騰落率 利益 |
| 7/24 東証G |
387A
SBI |
フラー | A 3.2億 |
1,170円 5,200円 |
344.4% 40.3万円 |
| 3/27 東証G |
338A
岡三 |
ZenmuTech | B 5.2億 |
1,580円 5,000円 |
216.5% 34.2万円 |
| 3/24 東証G |
335A
日興 |
ミライロ | B 7.1億 |
270円 661円 |
144.8% 3.91万円 |
| 11/5 東証G |
442A
大和 |
クラシコ | A 4.5億 |
1,390円 3,270円 |
135.3% 18.8万円 |
| 9/25 東証P |
409A
野み日 |
オリオンビール | C 269.4億 |
850円 1,863円 |
119.2% 10.13万円 |
※利益は1単元当選して初値売りした場合の金額
こうなってしまった理由は様々ですが、IPO銘柄の当日の成行き売買の禁止のほか、他にも2023年に制定されたIPO新ルールの影響が大きいと思われます。
まあ、これまでの数十年が異常だったと言えばそれまでであり、長年に渡って苦々しく思っていた「御上」がようやく動いて成し遂げた成果なのかもしれません。
公開価格割れIPO銘柄の特徴は?
2025年は公開規模が大きめのファンドの出口案件が公開価格割れとなる傾向にありました。
ちなみに、下落率トップのIACEトラベルはトランプ関税ショックによる地合いの影響、3位のパワーエックスに関しては本来公開価格割れを防げた案件だと思っており、個人的には主幹事のせいだと考えています…。
2025年IPOの公開価格割れ銘柄
| 上場日 市場 |
コード 主幹事 |
銘柄名 |
事前評価 公開規模 |
公募価格 初値価格 |
騰落率 利益 |
| 4/7 東証S |
343A
東海 |
IACEトラベル | C 13.5億 |
1,000円
864円 |
-13.6% -1.36万円 |
| 12/18 東証G |
472A三・大 | ミラティブ | C- 72.4億 |
860円 751円 |
-12.7% -1.09万円 |
| 12/19 東証G |
485A三・日 | パワーエックス | C 117.7億 |
1,220円 1,130円 |
-7.4% -0.9万円 |
| 10/24 東証G |
438A
SBI |
インフキュリオン | C 129.7億 |
1,680円 1,560円 |
-7.1% -1.2万円 |
| 10/3 東証G |
414Aみ・三 | オーバーラップホールディングス | D 165億 |
1,650円 1,533円 |
-7.1% -1.17万円 |
| 6/24 東証S |
367Aみ・日 | プリモグローバルホールディングス | D 159.9億 |
2,150円2,013円 | -6.4% -1.37万円 |
| 12/19 東証S |
475A
野村 |
ギミック | C 28.7億 |
1,150円 1,090円 |
-5.2% -0.6万円 |
| 12/16 東証P |
471A日・大 | NSグループ | D 393.7億 |
1,480円 1,406円 |
-5.0% -0.74万円 |
| 3/19 東証S |
331A
みずほ |
メディックス | C- 21.2億 |
800円 760円 |
-5.0% -0.4万円 |
| 10/8 東証S |
428A
大和 |
サイプレス・ホールディングス | C- 48.4億 |
710円 675円 |
-4.9% 0.35万円 |
※利益は1単元当選して初値売りした場合の金額
大手予想会社による事前評価もC評価が4銘柄あり、C-評価が3銘柄、D評価は3銘柄だけでした。個人的にも4銘柄にC-評価を付けたので、今年は難易度が高かった印象です。
IPO投資で稼ぐのは以前ほど容易ではなくなり、もはや「オワコン」と言われても仕方がありませんが、ローリスクな投資手法であることに変わりはないので、個人的には今後もIPO投資を続けていきます。
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